桂離宮
桂離宮は 京都市西部を流れる桂川の西岸 桂川大橋の袂にあります。
宮内庁「桂離宮への交通案内」
参観は無料ですが 三ヶ月前からの予約が必要です。
宮内庁 参観申し込み
宮内庁「桂離宮」施設案内
桂離宮 キリシタン灯籠 その2
写真集に「キリシタン灯籠 LANTERN OF CATHOLICISM」と書かれていたのが この石灯籠です。
「竿石の上部のふくらみにはFILI(ラテン語で御子よ、キリストよ、の意味)と判読されるローマ字の組合せ記号が彫られている。」 と写真集の解説には書かれています。
「FILI」について調べてみると キリスト教のミサで唱えられる Gloria(栄光の賛歌)に 次のような一節があるようです。
「Domine Fili unigenite, Jesu Christe.」
「主なる御ひとり子、イエス・キリストよ。」と訳されています。
「Fili」とは ラテン語で「息子よ」という呼格 とのこと。
意味は分かりましたが その四つの文字がどのように組み合わせてあるのか 「F」は多分左上の部分のように見えますが 右下の部分は よく分からないままです。
その下のマリア像は 先に見た「キリシタン灯籠 その1」では丸い頭部だけしか見えませんでしたが こちらは頭部の下に上半身も見えています。
この石灯籠のある場所は 洲浜から松琴亭へ向かう飛石の右手(池の畔) カエデの根元です。
上の写真 左二枚は洲浜脇の飛び石から 右端は松琴亭からの撮影です。
「キリシタン灯籠 その2」の周辺は 下図のような位置関係にあります。
桂離宮 卍字亭 まんじてい
松琴亭への石橋の手前左側には 外山に上がる石段状の飛石が見えますが 残念ながら参観順路には入ってなくて 立ち入ることは出来ません。
木の間隠れに見えるのは 「卍字亭 まんじてい」と呼ばれる茅葺宝形造りの四阿(あずまや)で 四隅に幅も深さも異なる腰掛を互い違いに設けられています。
その形が卍形に似ているところからこの名があり 「四つ腰掛」とも言われ 松琴亭で茶会の際 中立の腰掛として用いられた とのこと。
下の画像三枚は 参観者休所の玄関ホールに置かれていた写真です。
玄関ホールの椅子は 「四つ腰掛」の形に並べられています。
卍字亭は流れの対岸からしか見ることができませんが 小高い位置に建っているので 姿を見ることはできます。
木々が繁っている時期よりは 葉を落とした冬季の方が探しやすいかもしれません。
卍字亭へ上がる石段状の飛石の脇には石灯籠が見えましたが キリシタン灯籠ではありませんでした。
参観順路からは石組みや流れの向こう側になり遠いのですが 卍字亭の左手に見える木肌の白い群立の木の足元に 石灯籠が見えます。
松琴亭への石橋を渡った後 振り返ると 卍字亭を見ることができます。
桂離宮 松琴亭への石橋
洲浜の辺りから松琴亭へは 岸に沿って飛石を進み キリシタン灯籠その2の前を通り 長い石橋を渡ります。
石橋の正面辺りに松琴亭の茶室「侘の囲」のにじり口が開き 池に面した母屋の前には芝庭が広がります。
石橋の袂には水辺に下りる石段があり 流れをそのまま手洗いに見立てて 「流れ手水」と呼ばれています。
この石橋に使われているのは京都白川産で 「白川橋」と呼ばれています。
長さ6メートル 幅70センチの細長い橋で 手前と向こうで石の表面の仕上げ方が違っていて 粗く削られた部分と細かく仕上げられた部分に分かれています。