桂離宮
桂離宮は 京都市西部を流れる桂川の西岸 桂川大橋の袂にあります。
宮内庁「桂離宮への交通案内」
参観は無料ですが 三ヶ月前からの予約が必要です。
宮内庁 参観申し込み
宮内庁「桂離宮」施設案内
桂離宮 賞花亭への土橋
松琴亭を過ぎると飛石道は岸に沿って緩やかな上りになり 池の水面は低くなり深い谷を思わせる景色に変わります。
遠く見える土橋の下流は「蛍谷」と呼ばれ 橋は下を舟が通れるように少しアーチ型に作られています。
土橋付近から振り返った景色も素晴らしく 松琴亭の西側にある舟着や織部灯籠が遠く見えます。
「賞花亭」と「園林堂」は大きな中島に建っていて 三つの土橋で他と繋がっています。
月見台下から続く園路の土橋は 参観時には渡れませんが 松琴亭や書院群の辺りから眺めることはできます。
「賞花亭」の周辺は 下図のような位置関係にあります。
桂離宮 「水蛍灯籠」
土橋を渡り山道を飛石伝いに登ってゆくと 賞花亭の手前左手にあるのが「水蛍灯籠」と呼ばれる石灯籠です。
火袋の左右の窓は四角ですが 前後の窓は逆三角形を二つ縦に並べた形です。
水蛍灯籠は 源氏物語に出てくる大堰川畔の明石の上の庭に 木立の奥からかがり火の影がちらちらとして 遣水の蛍にも似通う面白さを述べているのを 石灯籠を以って意図したもので 命名は第七代家仁親王 とのことです。
桂離宮 賞花亭 しょうかてい
賞花亭は 土橋を渡った大きな中島にあり 飛石伝いに山道を登った頂きに建っています。
茅葺の切妻屋根に皮付の柱を用いた横長の小亭で もと今出川本邸にあった龍田屋を 智忠親王の時にここに移されました。
前面に掛けられている暖簾には「龍田屋」「たつたや」と染め抜いてあります。
庭内の四つの茶亭は それぞれ春夏秋冬の性格を持つ と言われています。
四つの茶亭の 春・夏・秋・冬
「春」 : 笑意軒
前面のツツジが美しく 対岸には梅の馬場
「夏」 : 賞花亭 水蛍灯籠
消夏のための小亭であり 付近には水蛍灯籠
「秋」 : 月波楼 鎌型手水鉢
観月のための茶亭であり (刈り入れの)鎌型手水鉢
「冬」 : 松琴亭 二重枡形手水鉢
暖房のための石炉があり 外腰掛には(収穫を量る)二重枡形手水鉢
賞花亭の南壁には水屋棚があり その上の竹の連子窓を通して見ると 背後の谷がより奥深く見えて 峠の茶屋の風情が一層強く感じられます。
賞花亭にも 小さな竈が築かれています。