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2008年11月20日

桂離宮 紅葉

桂離宮 桂離宮

桂離宮 御成門

桂離宮 紅葉


前回は五月で新緑が美しかったが 今回は緑、黄色、オレンジ、紅葉など様々に彩られたお庭を拝見してきた。
  五月の桂離宮 御成門


桂離宮 桂離宮

桂離宮 紅葉

桂離宮 紅葉


前回は往復ハガキ 今回はネットで申し込んだが どちらにしても三ヶ月前に日時を指定して申し込むので 今日まで 急な用事が重ならないよう お天気が良いよう モミジが綺麗に色付いているよう ひたすら祈りながら待っていた。

今日の拝観の皆さんは日頃の行いが良すぎたのか 撮影には眩しすぎるくらいの晴天。
昨日まで冷たい風が吹き荒れていたが 今日は穏やかで本当によかった。
今日の画像は門前の植え込みなど 外から撮ったもの。 離宮内は明日から。

2008年11月21日

桂離宮 御成門

庭園への木戸 住吉の松

桂離宮 庭園への木戸
2008年11月20日

桂離宮 住吉の松 (衝立松)
2008年11月20日


前回同様 通用門で参観許可証を示し 待合所の入り口で再びチェックを受け 時間まで待機。
係りの方の説明を聞いた後 庭園への木戸をくぐる。
前回は列の中ほどに並んだので この場所を撮れなかった。 今回は最後尾で 人影の入らない写真を撮ることができた。

黒文字の垣が途切れると 光にあふれた庭園が見える。
池に突き出た岬の先端には住吉の松があり 左奥に見えるのは神仙島(中島)の松。
右上 少し高い位置に見える建物は「賞花亭」(白と紺の暖簾が見える)
  五月の桂離宮 賞花亭
ゆっくり撮影していたら 皇宮警察の方に 「あまり遅れないでください。」 と言われてしまった。

御成門 御成門 紅葉の足元の苔

桂離宮 御成門
2008年11月20日

桂離宮 御成門
2008年11月20日

紅葉の足元の苔
2008年11月20日


小走りで御幸道から御幸門に向かい 離宮内からの御成門を撮影。
御成門から御幸門までの両側にはモミジが列植されていて その足元には一面の苔。

  五月の桂離宮 御成門

2008年11月22日

桂離宮 御幸道 御幸門

紅葉の馬場 御幸道 御幸門

桂離宮 紅葉の馬場
2008年11月20日

桂離宮 御幸道
2008年11月20日

桂離宮 御幸門
2008年11月20日


御幸道から直角に池に向かう道は 「紅葉の馬場」と呼ばれ 後水尾上皇奉迎のため御幸道と共に小石敷にされたところ。
かつては池畔から対岸の松琴亭前に 朱塗りの欄干の橋が掛けられていた。
遠くに茅葺屋根が見えるのが 松琴亭。

御幸道の土橋も御幸門も 緑一色だった五月とは かなり趣が違って見える。

 五月の桂離宮 御幸道  五月の桂離宮 御幸門

桂離宮 外腰掛と蘇鉄山

石灯籠 外腰掛

飛石の足元の石灯籠
2008年11月20日

桂離宮 外腰掛
2008年11月20日


紅葉の馬場から大振りの飛石伝いに外腰掛に向かう途中に 石灯籠が見えた。
この石灯籠は前回も撮れたが 少し角度が違っている。
前回撮れなかった外腰掛は 全体の姿を撮ることができた。
人影は入らなかったのに 光が入ってしまったことだけが残念。

  五月の桂離宮 石灯籠

蘇鉄山 冬支度作業中

蘇鉄山 冬支度
2008年11月20日

蘇鉄山 冬支度作業中
2008年11月20日


外腰掛の前にある蘇鉄山は 冬支度の作業中だった。
よく見かける松のコモ巻きとは違って防寒のためのようで 全体にコモが巻かれていてワラ帽子も被せてもらっていた。

  五月の桂離宮 蘇鉄山

2008年11月23日

桂離宮 外腰掛 二重桝形手水鉢

二重桝形手水鉢 二重桝形手水鉢

桂離宮 外腰掛 二重桝形手水鉢
2008年11月20日

桂離宮 外腰掛 二重桝形手水鉢
2008年11月20日


今回の拝観の目的は紅葉を見ることと もう一つ 「石灯籠と手水鉢、延段を全て撮りたい!」
前回は見逃したり撮り逃した物が幾つか有って 残念に思っていた。

この手水鉢は前回も撮れたが 角度を変えて もう一枚。
「く」の字形の大きい前石は 今回も全体を撮れなかった。

  五月の桂離宮 外腰掛 二重桝形手水鉢

桂離宮 外腰掛 行の延段

行の延段 行の延段 南端の石灯籠

桂離宮 外腰掛 行の延段
2008年11月20日

桂離宮 外腰掛 行の延段
2008年11月20日

行の延段南端の石灯籠
2008年11月20日


外腰掛の前面にある 切石と自然石を交えた 行(ぎょう)の延段。
御輿寄前庭の「真の延段」は畳石 笑意軒の「草の延段」は大小の自然石が使われている。

延段の両側に見える 小石を三つ組み合わせたものは 排水のためのもの。
その傍の丸い金具の使途は不明。
延段北端に 二重桝形手水鉢があり 南端には小さい石灯籠が深く埋められている。

 五月の桂離宮 行の延段

2008年11月24日

桂離宮 七つのキリシタン灯籠 その1

キリシタン灯籠 1 洲浜 キリシタン灯籠 1

桂離宮 キリシタン灯籠 1
2008年11月20日

桂離宮 洲浜
2008年11月20日

桂離宮 キリシタン灯籠 1
2008年11月20日


今回どうしても撮りたいと思っていたのが キリシタン灯籠。
前回その傍の飛石を通ったのに 前後を人に挟まれていたので 立ち止まっての撮影ができなかった。
三十年近く前に拝観したときに買った写真集を見て 置かれている場所をしっかり頭に入れて 出かけた。

きちんと撮影できて 帰ってからチェックしてみると 目的の灯籠以外にも同じ様な型の石灯籠が写っている。 
ネットで調べてみると 「桂離宮には7つのキリシタン灯籠がある。」 と書かれていた。

1枚目と3枚目の画像の石灯籠は 洲浜の脇を通り松琴亭へ向かう飛石の左手にあった。
次に写っているのが「大堰川と鼓の滝」なので その手前。
私が撮りたいと思っていた灯籠は 2枚目の画像の左奥 紅葉しているカエデの根元にあり 5月の写真にも小さく写っている。
 五月の桂離宮 松琴亭への石橋

織部型キリシタン燈籠
 竿を直接土中に立てる生け込み型
 露盤付きの宝珠
 波型の屋根を持つ四角形の笠
 四角形の火袋
 断面が長方形で上部が十字形または膨らみを持った竿
 茶人であり武士である古田織部好みとされる

この石灯籠には見えないが 十字の膨らみの部分には「IHS」とか「FILIUS」などキリストを表わすローマ字の組合せ記号が彫られていて その下にはマリア像を思わせるレリーフがある。
この灯籠は深く埋め込まれているので 頭部だけが丸く見えている。

桂離宮 七つの織部型石灯籠(キリシタン灯籠)
 1 大堰川と鼓の滝の手前 左側 : この石灯籠

 2 松琴亭への石橋の手前 右側 キリシタン灯籠 その2

 3 松琴亭舟着場から見える 中島の岸辺 キリシタン灯籠 その3

 4 松琴亭舟着場 キリシタン灯籠 その4

 5 賞花亭から下りる途中 左手 キリシタン灯籠 その5

 6 古書院前舟着場 松の根元 : 画像なし

 7 御輿寄 前庭の築山 キリシタン灯籠 その7

桂離宮 大堰川と鼓の滝

大堰川と鼓の滝

桂離宮 大堰川と鼓の滝
2008年11月20日


名前は大きいが 見逃しそうなせせらぎと小さな段差。
でも 細部にも趣向を凝らし 毎日でもその眺めをたのしむことができるというのは 本当に贅沢なこと。

  5月の大堰川と鼓の滝

2008年11月25日

桂離宮 洲浜 (すはま)

洲浜

桂離宮 洲浜
2008年11月20日


扁平な石を敷き詰めた洲浜が 池に突き出している。
先端の灯籠の向こうには「天橋立」が見え 更に向こうには「松琴亭」が見える。
中央に見える切石の反橋は 蛍橋と呼ばれている。
左奥に見える長い石橋は 松琴亭に渡る橋。

  5月の洲浜

桂離宮 天橋立

天橋立 天橋立 天橋立

桂離宮 天橋立 左部分
2008年11月20日

桂離宮 天橋立
2008年11月20日

桂離宮 天橋立 北岸
2008年11月20日


左から 天橋立の反橋(蛍橋) 中島の松 北岸。
左部分の松越しには松琴亭の大きな茅葺屋根が見え 北岸の紅葉越しには古書院が見える。

 五月の桂離宮 天橋立

2008年11月26日

桂離宮 七つのキリシタン灯籠 その2

キリシタン灯籠 2 キリシタン灯籠 2 キリシタン灯籠 2

桂離宮 キリシタン灯籠 2
2008年11月20日

桂離宮 キリシタン灯籠 2
2008年11月20日

桂離宮 キリシタン灯籠 2
2008年11月20日


この石灯籠の撮影が 今回の大きな目的の一つ。
列の最後尾につけて 背中に皇宮警察の視線を感じながらも立ち止まり しっかりと撮ってきた。
(三枚目の画像は 石灯籠の向こうに人影が写りこんだので その部分だけ少し修正。)

竿石の上部のふくらみにはFILI(ラテン語で御子よ、キリストよ、の意味)と判読されるローマ字の組合せ記号が彫られている と写真集の解説には書かれているが どの部分がFなのか よくわからない。
その下のマリア像は 先に見た「キリシタン灯籠 1」では頭部だけしか見えなかったが こちらは頭部の下に上半身も見えている。
 キリシタン灯籠 1

キリシタン灯籠 2 キリシタン灯籠 2

桂離宮 キリシタン灯籠 2
2008年11月20日

桂離宮 キリシタン灯籠 2
2008年11月20日


この石灯籠のある場所は 洲浜から松琴亭へ向かう飛石の右手(池の畔)紅葉しているカエデの根元。
遠くからも見えていて 少しずつ近付いて行くのが嬉しくて ワクワクしながら飛石を歩いた。

カエデの向こう右手に見える石橋は 松琴亭へ渡る長い橋。
 五月の松琴亭への石橋

桂離宮 七つの織部型石灯籠(キリシタン灯籠)
 1 大堰川と鼓の滝の手前 左側 キリシタン灯籠 その1

 2 松琴亭への石橋の手前 右側 : この石灯籠

 3 松琴亭舟着場から見える 中島の岸辺 キリシタン灯籠 その3

 4 松琴亭舟着場 キリシタン灯籠 その4

 5 賞花亭から下りる途中 左手 キリシタン灯籠 その5

 6 古書院前舟着場 松の根元 : 画像なし

 7 御輿寄 前庭の築山 キリシタン灯籠 その7

桂離宮 卍字亭 まんじてい

卍字亭 卍字亭 卍字亭

桂離宮 卍字亭
2008年11月20日

桂離宮 卍字亭の石灯籠
2008年11月20日

桂離宮 卍字亭の石灯籠
2008年11月20日


松琴亭への石橋の手前左側には 外山に上がる石段状の飛石が見えたが 残念ながら立ち入り禁止。
木の間隠れに見えるのは 「卍字亭 まんじてい」と呼ばれる茅葺宝形造りの四阿(あずまや)で 四隅に幅も深さも異なる腰掛を互い違いに設けている。
その形が卍形に似ているところからこの名があり 四つ腰掛とも言われている。
松琴亭で茶会の際 中立の腰掛として用いられた とのこと。

飛石の中ほどには石灯籠が見えたが これはキリシタン灯籠ではなかった。

2008年11月27日

桂離宮 松琴亭より望む天の橋立

天の橋立 天の橋立 橋の名残

桂離宮 松琴亭より望む天の橋立
2008年11月20日

桂離宮 松琴亭より望む天の橋立

桂離宮 松琴亭への橋の名残
2008年11月20日


松琴亭では 撮影のための時間がとられるので ゆっくりと撮影ができる。
洲浜側から見るのとは違った雰囲気の天の橋立。 こちらが正面なのかしら。
緑一色だった5月の眺めより 華やかな感じがする。
 5月の天の橋立

三枚目の画像で 対岸の道が池で途切れたように見えているのは 紅葉の馬場から松琴亭に架けられていた朱塗りの欄干をもつ長橋の名残。

手水鉢 手水鉢 石灯籠

桂離宮 松琴亭 手水鉢
2008年11月20日

桂離宮 逆方向から見た手水鉢
2008年11月20日

桂離宮 松琴亭 石灯籠
2008年11月20日


松琴亭前面の広い芝庭に 背の高い臼のような形に見える手水鉢がすえられている。
長い石橋の下の「流れ手水」は形だけで 実際はこちらの手水鉢が使われていたのかしら。
松琴亭側は丸みを帯びた形に作られているが 逆方向から見ると 平らな上面以外は自然な形の石に見える。
 5月の流れ手水

三枚目の画像は 紅葉の馬場から架けられていた長橋の袂を照らすための石灯籠。
後ろに見える砂利道が 池の際で途切れている。

桂離宮 七つのキリシタン灯籠 その3

キリシタン灯籠 3 船着場の石灯籠 船着場の石灯籠

桂離宮 キリシタン灯籠 3
2008年11月20日

桂離宮 松琴亭船着場の石灯籠
2008年11月20日

桂離宮 松琴亭船着場の石灯籠
2008年11月20日


松琴亭の西側から見える中島に立つキリシタン灯籠。
「桂離宮にはキリシタン灯籠が7つある。」ということを知ったのは 家に帰ってから。
行く前には一つだけかと思っていたので 目的のキリシタン灯籠を撮ったあとは次の目的の「水蛍灯籠」のことしか頭に無くて たまたま見えたから撮っただけで この一枚だけ。 ちょっと残念。
後の二枚は 松琴亭船着場の石灯籠。

桂離宮 七つの織部型石灯籠(キリシタン灯籠)
 1 大堰川と鼓の滝の手前 左側 キリシタン灯籠 その1

 2 松琴亭への石橋の手前 右側 キリシタン灯籠 その2

 3 松琴亭舟着場から見える 中島の岸辺 : この石灯籠

 4 松琴亭舟着場 キリシタン灯籠 その4

 5 賞花亭から下りる途中 左手 キリシタン灯籠 その5

 6 古書院前舟着場 松の根元 : 画像なし

 7 御輿寄 前庭の築山 キリシタン灯籠 その7

2008年11月28日

桂離宮 松琴亭

山側の眺め 石炉の上の袋戸棚

桂離宮 松琴亭 山側の眺め
2008年11月20日

桂離宮  松琴亭 石炉の上の袋戸棚
2008年11月20日


松琴亭の茶室や母屋については5月に写したので その時に撮れなかったところだけ撮影。

一の間は鉤の手に十一畳敷とされ 正面の床の間に対し西に面して一畳大の石炉が設けられていて その上に袋戸棚がある。
一の間の前には広い芝庭が広がり 池の向こうには天の橋立が見え 奥にある二の間からは山の眺めをたのしむことができる。 

 五月の松琴亭 茶室
 五月の松琴亭 母屋

桂離宮 七つのキリシタン灯籠 その4

キリシタン灯籠 その4 キリシタン灯籠 その4

桂離宮 七つのキリシタン灯籠 その4
2008年11月20日

桂離宮 七つのキリシタン灯籠 その4
2008年11月20日


「桂離宮には七つのキリシタン灯籠がある。」 という話は本当だった。

ネットで読んで 撮影してきた石灯籠を調べてみると はっきりしない一つを合わせると五つのキリシタン灯籠が写っていた。
残り二つは どこにあるのか・・・気になる。
桂離宮と宮内庁京都事務所に電話して 教えていただいた。
「石灯籠は全部で24 そのうち織部型が七つあります。 全ての石灯籠を順路から見ることはできません。」

桂離宮 七つの織部型石灯籠(キリシタン灯籠)
 1 大堰川と鼓の滝の手前 左側 キリシタン灯籠 その1

 2 松琴亭への石橋の手前 右側 キリシタン灯籠 その2

 3 松琴亭舟着場から見える 中島の岸辺 キリシタン灯籠 その3

 4 松琴亭舟着場 : この石灯籠

 5 賞花亭から下りる途中 左手 キリシタン灯籠 その5

 6 古書院前舟着場 松の根元 : 画像なし

 7 御輿寄 前庭の築山 キリシタン灯籠 その7

「松琴亭船着場の石灯籠には竿石のふくらみは見えないが 織部型と言われています。」 とのこと。

ということで 昨日「松琴亭船着場の石灯籠」としてアップしたものが 実は「キリシタン灯籠 その4」 だった。
確かに 写真集の解説にも
「松琴亭の西側には切石をたたんだ舟着が設けられ、その照明に織部型の石灯籠が立っている。」 と書かれていた。

これで 私が撮影できたのは 6つになった。
残る一つ 「古書院前の舟着場 松の根元」は 見え難く撮りにくい位置とのこと。
舟着場近くには立ち入れないし 対岸の賞花亭からは遠く 木立もあるので見通しが利かない。
月見台の下は通れるので その時に松の根元を探すしかチャンスは無い。
これは もう一度申し込んで 行くしかない。

2008年11月29日

桂離宮 松琴亭よりの眺め

古書院 月波楼 住吉の松

桂離宮 松琴亭より望む古書院
2008年11月20日

桂離宮 松琴亭より望む月波楼
2008年11月20日

桂離宮 松琴亭より望む住吉の松
2008年11月20日


松琴亭からの眺めは素晴らしく 前回も撮っているが 今回も撮影。
古書院も見えているが 月見台やその下の舟着場などは中島の陰になって見えない。
前回とは立ち位置が違ったようで 中島の見え方が少し違っている。

 5月の松琴亭よりの眺め

桂離宮 水蛍灯籠

水蛍灯籠

桂離宮 水蛍灯籠
2008年11月20日


松琴亭を過ぎ 岸沿いのなだらかな飛石を進むと 左手の木立が深くなり 右手の水面は低くなって深い谷を思わせる。行く手に土橋が見え その下流は蛍谷と呼ばれている。

 5月の 土橋

土橋を渡り山道を飛石伝いに登ってゆくと 途中にあるのが 「水蛍灯籠」
この灯籠も今回の目的の一つ。 前回は撮り逃した。
薄暗くて光も逆だったので この一枚しか形が見えなくて 残念。

水蛍灯籠は 源氏物語に出てくる大堰川畔の明石の上の庭に 木立の奥からかがり火の影がちらちらとして 遣水の蛍にも似通う面白さを述べているのを 石灯籠を以って意図したもので 命名は第七代家仁親王 とのこと。

火袋は前後に四角な火口を作り 両側は小さい三角の窓を二つ重ねた意匠で しかも一方は底辺を上に、一方は頂点と頂点を向かい合わせにしてあるようだが 反対側は見逃した。

2008年11月30日

桂離宮 賞花亭よりの眺め

新御殿 月波楼 月波楼

桂離宮 賞花亭より望む新御殿
2008年11月20日

桂離宮 賞花亭より望む月波楼
2008年11月20日

桂離宮 賞花亭より望む月波楼
2008年11月20日


水蛍灯籠を過ぎて更に登ると 頂に賞花亭がある。
峠の茶屋の趣向で 木立の向こうに書院群や中島、月波楼も見える。

 5月の 賞花亭

2008年12月01日

桂離宮 園林堂 おんりんどう

園林堂 園林堂 園林堂

桂離宮 園林堂 遠景
2008年11月20日

桂離宮 園林堂前の石灯籠
2008年11月20日

桂離宮 園林堂前の石灯籠
2008年11月20日


賞花亭から下りて左に進むと 園林堂の横に出る。
全体の姿は 次に見る笑意軒からがよく見える。
園林堂の両脇には大きな石灯籠が一対あり アーチ型の土橋が正面に架けられている。

 5月の 園林堂

三枚目の画像 紅葉の向こうに見えるのが 笑意軒。
列の先頭は既にそちらに着かれているようで 私も撮影の後 急いで土橋を渡って追いかけた。

園林堂 園林堂

桂離宮 園林堂前の飛石
2008年11月20日

桂離宮 園林堂 手水鉢
2008年11月20日


園林堂の周囲には 正方形の切石が飛石として使われている。
堂前と土橋や手水鉢を繋ぐのには 45度回転したものが並べられている。

桂離宮 七つのキリシタン灯籠 その5

キリシタン灯籠 その5 キリシタン灯籠 その5

桂離宮 七つのキリシタン灯籠 その5
2008年11月20日

桂離宮 七つのキリシタン灯籠 その5
2008年11月20日


賞花亭から下りる途中にあった石灯籠。
撮影した時はキリシタン灯籠とは知らなかったので 角度も考えず なんとなく撮っていた。
ふくらみが分かり難くて確信は持てなかったが 宮内庁京都事務所の方に教えていただいた。
深く埋められているので分かりにくいが 間違いありません とのこと。

桂離宮 七つの織部型石灯籠(キリシタン灯籠)
 1 大堰川と鼓の滝の手前 左側 キリシタン灯籠 その1

 2 松琴亭への石橋の手前 右側 キリシタン灯籠 その2

 3 松琴亭舟着場から見える 中島の岸辺 キリシタン灯籠 その3

 4 松琴亭舟着場 キリシタン灯籠 その4

 5 賞花亭から下りる途中 左手 : この石灯籠
 6 古書院前舟着場 松の根元 : 画像なし

 7 御輿寄 前庭の築山 キリシタン灯籠 その7

2008年12月02日

桂離宮 雪見灯籠

雪見灯籠 園林堂 雪見灯籠

桂離宮 雪見灯籠
2008年11月20日

桂離宮 園林堂
2008年11月20日

桂離宮 雪見灯籠
2008年11月20日


園林堂前の土橋を渡ると左に雪見灯籠がある。
その左には笑意軒前面の船溜りを兼ねた入り江状の方形の池。

この雪見灯籠の前は 笑意軒への行きと帰りに二度通るので撮りやすいのに 前回は何故か撮り逃している。 今回は 行きと帰りの二枚。 

桂離宮 笑意軒 三光灯籠

三光灯籠 三光灯籠

桂離宮 笑意軒 三光灯籠2008年11月20日

桂離宮 笑意軒 三光灯籠2008年11月20日


雪見灯籠の対岸 笑意軒前面の舟着場東端近くに 三光灯籠がある。
舟べりの照明に 笠と火袋だけで殊更に低く置かれている。
火袋の 丸、四角、三日月形の窓は 日、月、星 を表わしている とのこと。

前回は ごく小さな姿しか撮れなかったので 今回は大きめに。
五月の画像二枚目左下隅に三光灯籠が見えている。

 五月の 笑意軒

桂離宮 笑意軒 三角灯籠

三角灯籠 三角灯籠

桂離宮 笑意軒 三角灯籠
2008年11月20日

桂離宮 笑意軒 三角灯籠
2008年11月20日


笑意軒前面の延段にかかる手前に 三角灯籠がある。
雪見形の変形といわれているが 笠も火袋も中台も脚もすべて三角形の他に例の無いもの。
火袋の窓が 丸、四角、三日月形とそれぞれ形が違っているのも面白い と写真集の説明には書かれていたが 三日月形の窓は撮れなかった。

笑意軒のテーマは 「日、月、星」 と 「三」なのかもしれない。
そういえば 口の間の軒下には束柱を中心に左右に三つずつ丸形の下地窓が並んでいる。

 五月の 笑意軒 内部と下地窓

2008年12月03日

桂離宮 笑意軒 「草」の延段

「草」の延段 「草」の延段 「草」の延段

桂離宮 笑意軒 「草」の延段
2008年11月20日

桂離宮 笑意軒 「草」の延段
2008年11月20日

桂離宮 笑意軒 「草」の延段
2008年11月20日


笑意軒前面には土廂に平行して建物よりも長い延段が設けられている。
ほぼ大きさの揃った耳石を並べ 大小様々の自然石ばかりを固めたもので 「草 (そう)」の形式を表わしたもの。 と 写真集の解説に書かれていた。

ここでいう「耳石」とは 「内耳にある炭酸カルシウムの結晶」ではなくて 延段の端を決めるために並べられている少し大きめの石のこと だろう。 「ミミイシ」と読むのかもしれない。 反物の両端を「ミミ」と呼ぶのと同じ意味かしら。

外腰掛前面の延段には その部分に一部切石が使われていて 「行」の延段と呼ばれている。
 外腰掛 「行」の延段

桂離宮 笑意軒 蹲踞「浮月」

蹲踞「浮月」 蹲踞「浮月」 二の間

桂離宮 笑意軒 蹲踞「浮月」
2008年11月20日

桂離宮 笑意軒 蹲踞「浮月」
2008年11月20日

桂離宮 笑意軒 二の間からの眺め
2008年11月20日


延段の東端には「浮月」と呼ばれる蹲踞があり 前回は水鉢が砂で埋められていたが 今回は水が張られていた。 一度 月夜に拝観したいものと 思った。

 五月の蹲踞「浮月」

二の間からの眺めは今回も緑一色で変わらないが 前回は片方だけしか撮れなかった「櫂」の形の襖の引き手は 今回は両側揃って撮影できた。
笑意軒の舟着場は長く 四角く作られた入り江状の池は舟溜りとして使われたようなので 「櫂」の形が選ばれたらしい。

2008年12月04日

桂離宮 書院群の庭

新御殿前庭 中書院

桂離宮 新御殿前庭の紅葉
2008年11月20日

桂離宮 中書院
2008年11月20日


新御殿の南と東には広い芝庭が広がり その端には紅葉が列植されていた。
中書院の東は苔庭に変わり 芝庭とは一直線にいけ込んだ敷瓦でくっきりと区画され 建物に沿って直線的に折れ曲がる雨落ちの溝と その間を真っ直ぐに伸びる飛石が整然と並んでいる。

 五月の 古書院への延段
 五月の 新御殿・中書院・古書院

中書院下の飛石 飛石と雨落ち

桂離宮 中書院下の飛石
2008年11月20日

桂離宮 中書院下の飛石と雨落ち
2008年11月20日


雨落ちは両側に小石を並べて縁をとり その間に砂利が入れてある。
新御殿と中書院の間にある楽器の間の南面には広縁があり 手摺がめぐらされ ケヤキの一枚板で作られた腰掛がある。
広い芝庭で行われた蹴鞠や弓や駒競べを見るための 殿上人の桟敷であり 高い床下は雑役に従う地下の人々の控えの場であった。
苔庭に打たれた飛石は 地下の人々の通路とされていた。

桂離宮 中島に建つ層塔と石灯籠

層塔と石灯籠 中島 賞花亭への延段

桂離宮 中島に建つ層塔と石灯籠
2008年11月20日

桂離宮 月見台より望む中島
2008年11月20日

桂離宮 賞花亭への延段
2008年11月20日


古書院の東面にある月見台からの眺めは 桂の庭の正面であり 池に浮かぶ中島や その左手には松琴亭も見ることが出きる。
神仙島になぞらえた中島には 七重の石の層塔や石灯籠が見え 右手に伸びる延段の先には 賞花亭の暖簾も見える。

 5月の 古書院 月見台

新御殿前庭 中書院

桂離宮 月見台より望む松琴亭
2008年11月20日

桂離宮 月見台より望む松琴亭
2008年11月20日


一般参観者は月見台に上がることは出来ないが その下の苑路は歩ける。
池の向こうの眺めにばかり気をとられていたが 足元の舟着場や松の根元のキリシタン灯籠その6を見逃している。

残念なので 来年3月の参観を予約した。 今度こそ 撮影してこよう。

2008年12月05日

桂離宮 月波楼 鎌型手水鉢

鎌型手水鉢 鎌型手水鉢

桂離宮 月波楼 鎌型手水鉢
2008年11月20日

桂離宮 月波楼 鎌型手水鉢
2008年11月20日


月波楼の口の間の前に据えてあるのは 水穴を鎌の刃に 右手の出張った部分を柄に見立てた 「鎌型手水鉢」。
盆栽風の小松をあしらい いけ込みの石灯籠が添えられている。

庭内の四つの茶亭は それぞれ春夏秋冬の性格を持つ と言われている。
 春 : 笑意軒
   前面のツツジが美しく 対岸には梅の馬場がある。
 夏 : 賞花亭
   消夏のための小亭であり 水蛍灯籠がある。
 秋 : 月波楼
   観月のための茶亭であり (刈り入れの)鎌型手水鉢がある。
 冬 : 松琴亭
   暖房のための石炉があり 外腰掛には(収穫を量る)二重桝形手水鉢がある。

秋の刈り入れを意味する鎌型の手水鉢に対して 冬の性格を持つ松琴亭の待合である外腰掛には 枡で収穫を量る晩秋を象徴するもの と言われている。

 五月の笑意軒
 賞花亭 水蛍灯籠
 五月の月波楼
 松琴亭 外腰掛 二重桝形手水鉢

層塔と石灯籠 中島 賞花亭への延段

桂離宮 月波楼より望む松琴亭
2008年11月20日

桂離宮 月波楼より望む紅葉山
2008年11月20日

桂離宮 月波楼より望む紅葉山
2008年11月20日


月波楼の東面には池が広がり 水面に浮かぶ月影を眺めることが出来 遠く松琴亭も見ることができる。
北側の窓からは紅葉山が見えるが 住吉の松の両側の刈り込みのため 池は見えない趣向。

 松琴亭より望む月波楼と住吉の松

桂離宮 紅葉 2008年12月1日

御成門 竹の穂垣 前庭

桂離宮 御成門
2008年12月1日

桂離宮 竹の穂垣
2008年12月1日

桂離宮 前庭
2008年12月1日


雨が近いという予報だったので 1日に撮影に行ってきた。 と言っても スーパーのついで。
10日間で紅葉が更に進み オレンジと紅色に染まっていた。

 11月20日の御成門

前庭 前庭 前庭

桂離宮 前庭
2008年12月1日

桂離宮 前庭
2008年12月1日

桂離宮 前庭
2008年12月1日


緑一色の木々も美しいが 紅葉は華やか。

 5月の竹の穂垣

2008年12月06日

桂離宮 中門から御輿寄

黒文字垣 中門 手水鉢

桂離宮 中門への黒文字垣
2008年11月20日

桂離宮 中門
2008年11月20日

桂離宮 御輿寄脇の手水鉢
2008年11月20日


御幸道は折れ曲がって中門に向かうが その右手には黒文字垣が続いている。
黒文字というのは落葉低木で 暗緑色の樹皮に黒い斑点があることから黒文字と名付けられ 樹皮や材に独特の香気があり 和菓子用の大振りの楊枝に使われる。
その黒文字の長い枝を竹で押さえて垣根に作られている。

中門に近付いても御輿寄(書院の玄関)は見えず 正面の渡り縁右寄りに立つ背の高い切石の手水鉢と 竹で作った雨樋が見えるだけ。

桂離宮 御輿寄 「真」の延段

関守石 真の延段

桂離宮 御輿寄 「真」の延段
2008年11月20日

桂離宮 御輿寄 「真」の延段
2008年11月20日


中門の敷居をまたぐと 田の字型の敷石に続いて四枚の切石が「く」の字のように配置され 更に一枚の切石が方向を変えて玄関へ延びる畳石へと導かれる。
このような石の配置は 輿の方向転換のため とも言われている。

深い杉苔の中を一直線に伸びる畳石は 様々の形の切石を幾何学模様に組み合わせてある。
外腰掛前の「行の延段」 笑意軒前の「草の延段」に対して 「真の延段」と呼ばれている。

延段の 真・行・草

真の延段 行の延段 「草」の延段

桂離宮 御輿寄 「真の延段」
2008年11月20日

桂離宮 外腰掛 「行の延段」
2008年11月20日

桂離宮 笑意軒 「草の延段」
2008年11月20日


 御輿寄「真の延段」 切石のみを組み合わせた延段
 外腰掛「行の延段」 切石と自然石を交えた延段
 笑意軒「草の延段」 自然石ばかりを固めた延段

 五月の御輿寄

2008年12月07日

桂離宮 七つのキリシタン灯籠 その7

キリシタン灯籠 その7

桂離宮 七つのキリシタン灯籠 その7
2008年11月20日


中門から御輿寄に伸びる延段の左には築山があり 織部型灯籠が立っている。
参観順路の最後に見る キリシタン灯籠 その7。
一般参観者は延段の中ほどに置かれた関守石に阻まれて それより先に踏み込むことができないので 正面からの撮影は不可能。

写真集には沓脱石の辺りから撮った写真があり マリア像がはっきりと写っている。
残念ながら 私の写真は この角度からの一枚だけ。

桂離宮 七つの織部型石灯籠(キリシタン灯籠)
 1 大堰川と鼓の滝の手前 左側 キリシタン灯籠 その1

 2 松琴亭への石橋の手前 右側 キリシタン灯籠 その2

 3 松琴亭舟着場から見える 中島の岸辺 キリシタン灯籠 その3

 4 松琴亭舟着場 キリシタン灯籠 その4

 5 賞花亭から下りる途中 左手 キリシタン灯籠 その5

 6 古書院前舟着場 松の根元 : 画像なし

 7 御輿寄 前庭の築山 : この石灯籠

その6 は次回 来年3月に頑張って探してみよう。

桂離宮 住吉の松 (衝立松)

住吉の松 木戸 木戸

桂離宮 住吉の松 (衝立松)
2008年11月20日

桂離宮 庭園への木戸
2008年11月20日

桂離宮 庭園への木戸
2008年11月20日


中門の前の平らな土橋を渡ると 右手に住吉の松。
衝立松とも呼ばれて 両側の生垣と共に池の眺めを遮っている。

枝越しに松琴亭を眺めながら もう一周ゆっくりと見て回りたい・・・ ご一緒に参観した方々も同じ思いのようで なかなか足が前に進まない。
うながされて木戸をくぐると 右手に通用門。 木戸が閉じられて おしまい。

五月と十一月 二度拝見しても見逃したり撮り逃したものがあり もう一度 来年三月に予約した。
キリシタン灯籠の最後の一つを是非とも探して見つけて撮影したい。
建築や造園の知識があれば もっと違った角度から観賞できるのだろうけど 石灯籠を見るだけでも面白い。
三月までに もう少し予習をしておこう。
画像も随分集まったので 三月分と合わせて「桂離宮」のページを作りたい と考え中。