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京都 南禅寺 金地院 織部型石灯籠

南禅寺に着く頃に小雨が降りだしたので 目指す石灯籠だけを拝見してきた。
お天気が良ければ いろいろ見たい所もあったのだけど・・・

織部型石灯籠 織部型石灯籠

南禅寺 金地院 織部型石灯籠
2008年12月9日

南禅寺 金地院 織部型石灯籠
2008年12月9日


以前は北山にあった金地院を 慶長の初め南禅寺塔頭に移建したのが 金地院崇伝。
方丈は 慶長16年に崇伝が伏見桃山城の一部を家光より賜り移建したもの。
方丈南庭は小堀遠州作庭の確証あり 「鶴亀の庭」と名付けられる。
桃山時代の風格を備えた 江戸初期の代表的枯山水庭園。

その庭の中央近くに 織部型灯籠がある。
確かに 竿石には左右のふくらみが見える。

織部型石灯籠 織部型石灯籠

南禅寺 金地院 織部型石灯籠
2008年12月9日

南禅寺 金地院 方丈庭園
2008年12月9日


方丈前面には白砂が広がり 正面にある長方形の巨大な平石は東照宮の遥拝石。
その左には亀島があり 海に潜ろうとする亀を表わしている。
真柏(ミヤマビャクシン)のジンが素晴らしく 樹齢700年以上と言われている。

右には鶴島があり 巣篭もりの鶴を表わしている。
遥拝石の右に見える長い石は鶴の首からクチバシまでを表わし 「嘴石」と呼ばれている。

崖地を利用した蓬莱石組の背後の木々はそれぞれ丸く刈り込まれ 連なる山並みを表わしている。

亀島 遥拝石 鶴島

金地院 方丈庭園 亀島
2008年12月9日

金地院 方丈庭園 遥拝石
2008年12月9日

金地院 方丈庭園 鶴島
2008年12月9日


素晴らしいお庭を眺めながら 大きな疑問が消えず お寺の方にお尋ねしてみた。
「どうして こちらのお庭に キリシタン灯籠とも呼ばれる織部灯籠があるのでしょう?」

「よく尋ねられますが あの灯籠の竿石には何の彫り物もなく キリシタンとの関連は無いものと 私共は考えております。」
ごもっともなこと。
そもそも 僅かでもキリシタンとの関連を疑われるのなら そのような石灯籠を庭に置くことを 「伴天連追放文」を起草した「黒衣の宰相」金地院崇伝が 許すはずが無い。
小堀遠州にしても 命を懸けてまでそのような灯籠を置こうとも考えないだろう。

やはり 織部型石灯籠=キリシタン灯籠 ということではないのだろう。
桂離宮と曼殊院のキリシタン灯籠は 「特別」 ということなのかしら。

 桂離宮 七つのキリシタン灯籠 その2
 京都 曼殊院門跡 キリシタン灯籠