桂離宮 月波楼 鎌型手水鉢
[ 桂離宮 11月
]
月波楼の口の間の前に据えてあるのは 水穴を鎌の刃に 右手の出張った部分を柄に見立てた 「鎌型手水鉢」。
盆栽風の小松をあしらい いけ込みの石灯籠が添えられている。
庭内の四つの茶亭は それぞれ春夏秋冬の性格を持つ と言われている。
春 : 笑意軒
前面のツツジが美しく 対岸には梅の馬場がある。
夏 : 賞花亭
消夏のための小亭であり 水蛍灯籠がある。
秋 : 月波楼
観月のための茶亭であり (刈り入れの)鎌型手水鉢がある。
冬 : 松琴亭
暖房のための石炉があり 外腰掛には(収穫を量る)二重桝形手水鉢がある。
秋の刈り入れを意味する鎌型の手水鉢に対して 冬の性格を持つ松琴亭の待合である外腰掛には 枡で収穫を量る晩秋を象徴するもの と言われている。
五月の笑意軒
賞花亭 水蛍灯籠
五月の月波楼
松琴亭 外腰掛 二重桝形手水鉢
月波楼の東面には池が広がり 水面に浮かぶ月影を眺めることが出来 遠く松琴亭も見ることができる。
北側の窓からは紅葉山が見えるが 住吉の松の両側の刈り込みのため 池は見えない趣向。