京都 桂離宮 笑意軒 1
[ 桂離宮 5月
]
笑意軒は 茅葺寄棟造りの母屋に杮葺の廂を付け 作り出しのある間口の広い田舎家風の茶屋。
前面の池は整然とした方形で 切石を直線的に畳んだ人工的な汀線をもち 船着場には 二箇所の石段から下りることができる。
花木の少ない桂の庭だが こちらではツツジが咲いていた。
船着場の東端には 船べりの照明に笠と火袋だけで殊更に低く置かれた三光灯籠がある。
二枚目の写真の左下隅に 小さく写っている。
土廂に平行して建物より長い延段があり 大小様々の自然石を並べ固められていて 「草の延段」と呼ばれている。
東端にある蹲踞には「浮月」の銘がある。
桂離宮は その地名はもとより 古書院の月見台、月波楼などの建物から 新御殿の「月の字形」の欄間、襖の「月字形の引手」など 様々なところに「月」への思い入れが感じられる。
この蹲踞「浮月」も 小さな水面に浮かぶ月を眺められたのかもしれない。